ヲタク女と呼ばないで!
休憩時間は、交代で従業員室で過ごす。私が三階に上がると、偶然にも泉坂さんがいた。

「あ、カンナちゃん~。おつかれ。」

と、なんともさわやかに迎えてくれる。って、すでにカンナちゃんになってるし。すごく人当たりがいい人だなぁ。と、ちょっとだけうらやましく思う。

「泉坂さん、一階はどうですか?大変ですか?」

「ううん、全然。お客さんはやっぱり2階の方が多いし。あ、泉坂って呼びにくいでしょ?麻美でいいよー」

うぅ、すごく優しい。後から聞いた話だと、泉坂さん、もとい、麻ちゃんは、私の一個上で、近辺の女子大生さん。だけど、一浪しているので、学年は私といっしょ。

実家住まいで、兄弟は弟がひとりいて、私なんでここまで知っているの!?

「じゃ、私行くねー。」

こ、こんな10分程度で、家族構成までしゃべられちゃったよ~。

同じ大学の友人、美緒の家族構成すら、正確には知らないのに・・・。
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