ヲタク女と呼ばないで!
三人で入ったデザートバイキングは、新宿では超~人気な有名店でいつもすごい行列なんです。

予約とっておいてよかった~。開店早々だというのに、すでに人が並んでいました。

私たちは、もうとにかく逃げ込むように席につきました。

「あ、あのー。」

と、アンナミラーズ制服の女の子は、ぽつりと口を開く。なんか、店員と一緒に座っているみたいで変な感じがする。まわりの視線も痛いくらい感じます。

「なにかありましたか?」

強敵、強敵です。かなりの強敵です!私も人のこと言えたもんじゃないと思いますが、彼女の不思議っぷりは、世界七不思議に匹敵しそうです。

「私、アルタ前にアンミラ制服でいる人初めて見たわ~。」

美緒も別の意味で強い。思ったことはそのまま、ずばっと言える。うらやましい性格だよ。

「あ、ちょっとオシャレしてきたんですけど・・・。」

オシャレ、オシャレなんですね、それ。確かにインパクト抜群。

「あ、歩美ちゃんって、コスプレ好きなんですか?」

と、私は場を和ませようと必死。そうだ、ゴスロリの格好とたいして変わらないじゃないか。そうそう、そう思えば少しは許せないものではないはずです。

「は、はい。人並みには好きですよ~。」

人並みにっていう、人とはどこの人をサンプリングしたものだろう?とか、ちょっとはてなマークが、頭のまわりに飛び交っちゃいます。

私はデザートバイキングなのに、何もとってこないのは余計に変だと思い、とりあえずあたりさわりの無いものを、いくつかとってきた。

パイナップル、メロン、オレンジ♪そして、パフェ、ケーキ!いつもなら、もう興奮度100%の品々!のはずですが・・・。

「へ、変・・・でしたか?」

「ちょっとね・・・。あはは。」
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