ヲタク女と呼ばないで！
新宿にはもちろんもっと奇抜な格好をしている人がたくさんいるが、なまじ有名な制服なだけに、人の視線をかなり集めるんだよね・・・。

「わ、私、あんまり友達と出かけたことなくて・・・。」

彼女は少ししょんぼりしていた。それはこれまでの不思議ちゃんな彼女とは違った、いたって普通な女の子の顔だった。

聞けば、女子中、女子高、そして今年、女子大に入った一年生。私よりも一歳年下なんだね。

彼女の話を聞いて、少しだけ親近感が沸いた。彼女は、彼女で方向性は違っているけど、きっと私と同じ人種なんだろうなぁ。

人付き合いが下手で、傷つくのが怖くて、周りの世界を拒絶して、自分の世界だけにのめり込んでいるような。

デザートバイキングが終了し、とりあえずのスケジュールを話し、三人で新宿を歩いていた。

「歩美ちゃん！」

私は、突然叫ぶように歩美ちゃんを呼んだ。

「は、はい？」

「今日は、このまま、カラオケいくよー！」

「え、ええ？！」

唖然としている他の二人の手を引っ張って、近くのカラオケ屋に引きずり込んだ。

「親交を深めるのは、カラオケだよカラオケー！」

格好もどうだっていいよ。
趣味もなんだっていいよ。
出会いはきっと必ず人を変えていくから。
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