恋愛偏差値30
康太side

クスッと笑って耳に掛ける髪は、細く長い。

彼女は、読みかけていた本をしおりを挟んで話だした。

「私、今日入学式朝からだと思ってて、学校来たら誰もいなくて、図書室で本読んでたら入学式の時間過ぎちゃったの」

はにかんだように笑う彼女に、俺は釘付けに、なった。

「俺、バカだから道間違ったんだ、んで、教室行ったら誰もいなかったんだ」

俺は、恥ずかしくて適当に本をあさった。

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