after Shining Moon&Star's 完結
幸せを知ってしまったからこそ、この幸せを手放すのが、、、


怖くて、人は臆病になっていく。


「でも、今日白戸先生に会えて良かったです。あたし、、、もう少し、頑張ってみます」


そう言った、黒川さんの顔には、先ほどの悲しそうな顔も、曇りも無くなっていた。


「そう。黒川さんの人生だから、あたしはこれ以上何も言えないけど、、、秋と、上手く行くと良いね?」


最後にそう、秋と黒川さんの幸せを願った。


「あんまり遅いから、秋たち心配してるかもしれない」

「あ、そうですよね」


黒川さんは慌てたように、まだ頬に伝っていた涙を拭う。


「メイク、直した方が良いよ?」

「え?」


黒川さんは、鏡で自分の顔を確認する。


「あたしは先に戻って、適当に言い訳でもしとく。だから、ゆっくりメイク直して、落ち着いてから戻って来て」


そしてあたしは黒川さんのことを残し、トイレを後にしようとした。

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