after Shining Moon&Star's 完結
「なら、あたしは今すぐにでも、退院する」

「、、、雫月」


仕事中の一喜が、あたしのことを雫月と呼ぶ事はほとんどない。


そんな一喜が呆れたように、あたしの名を呼んだ。


「そう言うと思った」


一喜は困ったように、頭を掻く。


「だって、、、見送り、たいんだもん」

「それで、雫月が苦しい思いをしてもいいの?」


一喜は責めることはせず、あたしを宥めるように優しい声で尋ねる。


あたしだって、苦しい思いなんてしたくない。


元気になって、生徒たちの前に立ちたい。


だけど、、、


それじゃ、遅いんだ。


生徒たちは、卒業を待ってはくれない。


あたしのことを置いて、どんどん前に進んでいく。

< 246 / 310 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop