カラメル
「…嘘だよね?」
必死に、必死に甘い部分を口に入れようとする。
薄い黄色、優しい君の甘いところ。
「やめようよ…だって君は…」
いつだって、いつだって。
「甘くて優しい王子様だったでしょ…」
「君が望んだ僕でいてあげただけだよ」
君の笑顔が、苦みが、あたしを支配していく。
今まで君の事何も気づかずに、ただ甘えていた、君の優しさ。
必死に、必死にかきこんでも、もう足りない。
それはもう、あたしの喉をとうに越えていた。