カラメル
「………別れるの…?」
やっと飲み込んでも、口のまだはまだ苦い。
舌、喉、心臓、残る苦みの支配。
「一か月だったからね?」
君はそう軽く答える。
この一カ月は、君にとってのなんだったの?
私にとってはね、甘くて、優しくて、そんな君との時間は幸せで、大切だったんだよ。
君とっては、違うの?
「やだ」
苦い。
苦い苦い苦い。
信じたくない。
信じたくないよ。
「私は…、別れたくないよ」
「でも、僕は別れたい」
つーっ、とこぼれた涙が、頬をつたって口に入った。
……苦いよ…。