好きな人なんていない。
ガタッ────「ぐふっ」
「なーにさっきからブツブツ言ってんのー?」
横の席の男子の 月島 裕 を無理矢理どかして話しかけてきた 杏 。
茶髪で肩より少し長い髪の、物事をはっきり言う頼りになる 杏 こと築島 杏とは小学校からの仲で一番の親友だ。
ちなみに裕と杏と私は幼馴染みだ。
そのこともあってか高校ではよく絡む3人組なのだ。
裕は椅子から落とされて変な声だしてたけどそれは無視無視。
『さっきねー?「おい杏!そこ俺の席だぞ!どけよー!!」』
「さっき?」
「おーい、そこ俺の席だってばー!」
相変わらず裕はガン無視の杏。
『うん、あのね?さっき変な人に校門の所でぶつかっちゃったんだけどー』
「椎まで無視するのかー!!」
「裕うっさい!今は椎と話してんの!」
『裕うっさい!今は杏と話してんの!』
「ごめんなさぃ…」