トライアングル2
直はびっくりしている私の顔を見てから
真っ正面を向いて、静かに話を始めた。



「今日だけ、今日だけは許す。

産まれてから今まで、鈴と兄貴の間に

思い出いっぱいあるだろ?



たぶん、色々思い出すと思う。

その時に、オレのことは一切気にするな。



鈴の気持ちはわかってるから。

今日は兄貴の為に素直に笑ったり…

泣いたり…感動してやれよ」


「直…」


「条件は今日だけな!」


「うん!直…ありがとう」



手を握っていない手で、頭を優しく撫でて
くれる直に挙式も始まっていないのに
涙が込み上げてきてしまった…



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