LOVEPAIN④
ふと、誰かに見られているような視線と気配を感じて、
私と成瀬は唇を離した
視線を感じた方向を見るとそこには誰も居ない
だけど、成瀬も同じ場所を見ているから、
私の気のせいではないと思う
「成瀬さん、
私達がキスしてるのを誰かに見られたかもしれません!
知ってる誰かだったら、まずいんじゃあ……」
どこかで、私達の事がみんなにバレてしまえばいいと思うけど、
いざ、そんな風にバレるんじゃないか、と思うと、
怖くて仕方ない
「帰るか。
とにかく、お前は気にすんな」
そう頭を軽くポンポンと叩かれて、
成瀬はマンションの方へと歩いて行く
私の手を握ったままだから、
私も同じように歩いて行く
ふと、後から思って口に出さなかったのだけど、
さっきの視線は――
あの、ストーカーなのかもしれない