LOVEPAIN④

「おやすみ」


そう言うと、唇に触れるような軽いキスをされて、

それが急にだったから驚き、
凄くドキドキとしてしまった




「前髪伸びてんな?」



「――前に、自分で切ったんですけど」



空いている左手で、
自分の前髪に触れる



一ヶ月くらい前に長くなっていたから自分で切り揃えたけど、

また伸びて来ているのかもしれない




「そっか。

ま、そろそろ降りろよ。
俺、帰れないし」


そう言う口調は言葉とは違い優しくて、

私はその手を離すとエレベーターから降りた



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