拾われた少女
アリシアの前に姿を表したのは
スラリときが長身の男
黒地に金色の刺繍が細部まで施された服を纏っていた。
整った顔だちをしていて漆黒の髪と燃えるような赤の瞳が印象的だった。


「お前の名は？」
「…アリシアといいます。14です」
「アリシアか…俺の3つ下だな」
男性ということを感じさせる低い声

「お前はどこの村の者だ？」
アリシアは早くもルキアの問いに答えられない自分に焦りを覚えた。
国王の質問に答えられないとどうなるのだろうか。

きっと剣にかけることなどこの人にとっては造作のないことなのだろう。

「どうした？
　お前はボレの森付近に住む村の者ではないのか？」

黙っているアリシアを不審に思い、ルキアは声をかけた。
先ほどから少女の様子がおかしいことにも気がついていた。
< 10 / 40 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop