拾われた少女
「少しは和めたようだな」
「あ…ごめんなさい、私…」
あれからどれくらい時間がたったのだろう
声の主の方を見るとルキアが近くに立っていた
「気に入ったか?」
「はいっ…」
澄んだ空気や花の薫る空間に癒やされたアリシアの表情は自然と柔らかくなっていた。
けれども…

「…!!」
自分に向けられた微笑み…ルキアが思わず衝動に駆られアリシアに腕を伸ばすとアリシアの顔に突如として怯えの色が差し込んだ。
「……っ!悪い、戻るか」
ルキアの手は目標にたどり着くことはなく、行き場を失ったそれは元の位置に戻された。
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