拾われた少女
その言葉にルキアはどこか安堵していた
自分が避けられているのかと感じいた。

世話係りとしてつけた女官のジュリアとは打ち解けてきたようだが
自分に向けられる彼女の瞳は怯えに揺れていて


でもそれは男に恐れを抱いていることから来る反応。

剣を持ち歩いている兵士を見たことのない者からすれば普通の反応なのかもしれない。


「この庭園のある部屋には俺以外の誰も入って来ない。
好きな時に来ればいい……鍵は渡しておく。」

ルキアは自分の服を掴んでいた腕にそっと触れた。
今度はアリシアが拒絶するようなことはなかった。

手のひらに静かに鍵を乗せる。

「いいのですか?…ありがとうございます」
アリシアは嬉しそうに金色に輝やくその鍵を見つめていた。
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