離さないから。



「嵐のようだったんじゃん?」


「あの、菊音と蓮護さんは退出してもらってもよろしいかしら?久しぶりに鎖様とお話ししたいので…………。」


え?俺?まじでー?



「はい。そうゆう時間も大切だしね。菊音、行くよ。」

「えー!!うちも話すー!」

二人は部屋から出てった。
あの二人って絶対恋人だろうなー。



「鎖!!久しぶり………。」

乙葉の目は潤んでる。
やべーな。


「おお。会いたかった………。」


「うぅ〜ぐすっ………」



「泣くなよ………。ったくー。昔から泣き虫だな。」


「ひっどーい!!」



昔とあまり変わってなくて良かった。


「なぁ、さっき栗宮と話してた彼って誰?」



「あぁー。私の主治医のお医者さんのこと。妹がさっきの子なの。」


そうだったのか。

「病気って?今まで静養してたって聞いた。」



「………………まだ完治してないんだけど、心臓病なの。けど栗宮先生は大丈夫って行ってくれてるから。」



心臓病…………。



「そうか…………。」



苦しんだだろうな。幼い頃から病気だったらしいし。友達だって…………



「けどね、不幸とかは思ったことなかったわ。病気の人の気持ちを知ることもできたし。けれど学校に行くことができなくて少し残念だっただけね!!ふふ。」



笑ってる………。
なんか純粋な感じがする。金持ちって裏の世界を知ってるやつがほとんどだから乙葉もこんな感じだと思った。けど純粋な感じで嬉しかった。笑顔もあの頃のままだった。
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