離さないから。
あの時はまさか鎖に会うと思わなかった…………。
だって鎖は私のことを忘れていると思ってたから。
けれど……………
「乙葉?」
この問い掛けに一瞬で誰かわかった…………。
だいぶ声は変わったけど、私にはわかったの。
貴方は私の大切な…………
………………鎖だってこと。
私を覚えてくれてた。
それだけで十分だったんだよ。それに学校に来れば貴方に会える。
それだけで世界が夢のように思えたの……………。
もし貴方が私をもう一度呼んでくれるなら…………
私は貴方のもとに飛んでいくわ。
だからこれからはしっかり掴まえていて…………。
私はもう離ればなれはいやだから。