離さないから。
「あぁ…………わかった。」
なんで敬語なんだよ。
電話はそのまま終了して、次は玄関のチャイムが鳴った。
ドアを開けると……………
藤宮がいた。
少し期待をした自分が情けないな。
「鎖様!!とても心配いたしました。」
「わりー。寝てた。」
「連絡くらい下さらないし。連絡くらいはして下さいね?」
「いいだろ、別に。彼女でもなんでもないんだし。」
あ……………。キツかったか?
「じゃぁ…………じゃぁ彼女にして下さい。」
はぁ!?こいつ何言ってんだよ。
「悪いけど無理。好きな奴いるから。」
「…………梅宮会長ですか?」
わかってんなら言うなよ。
「だったら何?」
「それでもいいんです。お願いだから、付き合って下さいっっ!!私には鎖様しかいないんです…………」
俺しかいない………………か。
「俺だって………あいつ、乙葉しかいねぇーよ。気持ちわかんだろ?」
「……………わかります。お二人には敵いません。しかし、梅宮会長には婚約者がいらっしゃるのも真実です。それでもいいんです………………。好きになって下さるまで何も求めません。だから…………。」
なんでここまでして俺なんかを………