離さないから。




この校門をでれば本当に終わる。
私の短い学校生活が…………。どうせならもっと早く鎖に会いたかった。



「………ばいばい。鎖………。」


これでおしま………



「待てよ!!乙葉!!」


……………え?
後ろを向くと鎖がいた。



「……………鎖、どうかしましたか?」


けじめがつかなくなってしまうその前にどうかサヨナラをさせて……………。



「…………行くなよ。」


え…………
私の視界は暗くなった。



鎖に抱き締められてる…………。
温かい。



「………酷いわ。サヨナラしなきゃケジメがつかないじゃない。」



「…………うん。」


「病気だって治らない。」


「うん。」


「離れないわよ?」



「離さねーよ。……………





      好きだ。」




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