Innocent Smile~ずっと一緒に~
さりげなく恭哉は私の手を繋いで、転ばないように気遣ってくれる感じ。
けど私はそっと、繋がれた手を放す。
「いいよ。誰かに見られるかもしれないし。」
ここは会社から離れてるから、見つかる確率も低いとは思うけど……
万が一ってことも、あるし。
そうなったら、言い訳できない。
「もう、みんなに言っちゃう?」
「何を?」
「俺たち、付き合ってまーす!って。」
「それはダメよ。」
「なんで? 俺は言いたいなぁ。
佐那子は俺のだ!!って、でかい声で叫んでもいいくらいだけど?」
そんな屈託のない笑顔で微笑まれても……
恭哉は何もわかってない。
高校生のクラスメートの男女が堂々と交際宣言するのとは、ワケが違う。