Innocent Smile~ずっと一緒に~
「実は、今回もそうなんだよなぁ。
いつの間にか、アイツに先越されてた……
ま、モタモタしてた俺も俺なんだけど。
エベレスト登頂は時間かかると思ってたけど、
もっと早く俺と付き合えって、言っとけばよかったよ。」
照れくさそうに視線を逸らして、聖二は後頭部をポリポリと掻く。
「エ、エベレスト……登頂??」
「そうだよ。佐那子はエベレスト級の高さに咲く、
“高嶺の花”なんだから。」
「随分、大袈裟ねぇ……」
私がウフフと噴き出すと、聖二も私につられてアハハと笑い出した。
「まぁ、俺はしばらく山の麓で待機してるから。
アイツと別れたら、すぐ報告してくれよ。」
「……何それ! すぐ別れると思ってんの?」
「いや、…そうじゃないっていうか……
俺はタイミング待ちってこと。次は絶対逃さない。
佐那子がフリーになったら、すぐ本気出してやるから!」