Innocent Smile~ずっと一緒に~
確かに、今日の仕事は大したことはなかった。
恭哉に少し任せてもいいと思えるくらい、彼も成長してきているし。
私は言い含められるままに、恭哉に後の仕事の指示をすると早退することにした。
恭哉の『きょう』は、『恭』じゃなくて、
『凶』もしくは『狂』じゃないかと、最近まで思ってたのに。
まさかその恭哉に助けられることになるとは……
帰りにドラッグストアで薬と栄養ドリンクを買い込んで、家路につく。
きっちりと着込んでいたスーツを脱ぐだけでも、なんだかホッとする。
ルームウェアに着替えて薬を飲み、そのままベッドに潜りこんだ。
私はそのまましばらく眠ってしまったみたいで、
誰かが来たことを告げる玄関チャイムで目が覚めた。
気づけば部屋が真っ暗だったので、明かりをつける。
のそのそと玄関へたどり着くと、
「佐那子さん、いたんですね!
部屋が真っ暗だから、もしかして居ないのかと思いましたよ。」
にっこり笑った恭哉が立っていた。