タカラモノ~桜色の片道切符~
夢を見た。
心地よい風が通る彼の家。
居間にはおばさんと、彼の両親、剛くん、
そして……。誰もが笑っている。
彼にとって1番幸せであったであろう時間
浮上した意識にしたがって目をあけると、広いベッドに一人。
不安に駆られていると、リビングとの扉が開き、彼の姿。
「どうかした?」
ベッドに腰を下ろした彼のシャツを左手で軽く握った。
「美桜?」
丁度良い強さで包まれ、彼の胸に体重を預ける。
「もしかして、また見た?」
腕の中で小さく首を振り、顔を上げると、優しい口づけ。
運命はある。
桜トンネルの向こうのワンフレーズ。
過去のことも、再び彼と出逢ったことも、全てが運命だったのか?
奇跡と呼べる偶然だったのか?
どちらでもかまわない気がした。
少しの間でも彼と心通わせることができたことは幸せだと思う。
「美桜」
声変わりした声、記憶にあるボーイソプラノとは全然違う。
この声を忘れない
全てを包み込んでくれるような大きな手も、心地よいと思える腕の強さと体温も絶対に忘れない。
温もりに包まれてもう1度微睡に身を任せた。
心地よい風が通る彼の家。
居間にはおばさんと、彼の両親、剛くん、
そして……。誰もが笑っている。
彼にとって1番幸せであったであろう時間
浮上した意識にしたがって目をあけると、広いベッドに一人。
不安に駆られていると、リビングとの扉が開き、彼の姿。
「どうかした?」
ベッドに腰を下ろした彼のシャツを左手で軽く握った。
「美桜?」
丁度良い強さで包まれ、彼の胸に体重を預ける。
「もしかして、また見た?」
腕の中で小さく首を振り、顔を上げると、優しい口づけ。
運命はある。
桜トンネルの向こうのワンフレーズ。
過去のことも、再び彼と出逢ったことも、全てが運命だったのか?
奇跡と呼べる偶然だったのか?
どちらでもかまわない気がした。
少しの間でも彼と心通わせることができたことは幸せだと思う。
「美桜」
声変わりした声、記憶にあるボーイソプラノとは全然違う。
この声を忘れない
全てを包み込んでくれるような大きな手も、心地よいと思える腕の強さと体温も絶対に忘れない。
温もりに包まれてもう1度微睡に身を任せた。