タカラモノ~桜色の片道切符~
腕の中で体重を預け、安心したように寝息をたてる美桜。
息の荒さはなく、気持ち良さそうに眠っている。
起こさないようにそっと長い髪に触れた。
「美桜」
ブランケットを怪我に触れないようそっと肩まで引き上げた
「ずっと傍にいるから」
抱きしめる腕の強さを僅かに強めた。
次に目が覚めると、理央くんの腕の中だった。
「おはよ。と言っても昼過ぎているけど」
左手を伸ばし、そっと彼の頬に触れた。
「美桜?」
『理央くん』
理央くんは私の気持ちを読み取ってくれるけど、ちゃんと自分の言葉で伝えたい。
背中越しに見えた自分の鞄を指差した。
「鞄?」
小さく頷いた。中には仕事道具でもあるポメラが入っている。
あれなら左手でも何とか打てるから
「何かいる?佐々木さんにはもう連絡はいっているはずだけど」
積み上げたクッションに凭れかけながら、左手でどうにかポメラを取り出した。
『ありがとう。ごめんね』
いつもより時間がかかるが、どうにか打ち込むことができた。
「美桜のせいじゃないって言ってるだろ?」
画面に表示された文字を追いながら、優しく抱きしめてくれた。
息の荒さはなく、気持ち良さそうに眠っている。
起こさないようにそっと長い髪に触れた。
「美桜」
ブランケットを怪我に触れないようそっと肩まで引き上げた
「ずっと傍にいるから」
抱きしめる腕の強さを僅かに強めた。
次に目が覚めると、理央くんの腕の中だった。
「おはよ。と言っても昼過ぎているけど」
左手を伸ばし、そっと彼の頬に触れた。
「美桜?」
『理央くん』
理央くんは私の気持ちを読み取ってくれるけど、ちゃんと自分の言葉で伝えたい。
背中越しに見えた自分の鞄を指差した。
「鞄?」
小さく頷いた。中には仕事道具でもあるポメラが入っている。
あれなら左手でも何とか打てるから
「何かいる?佐々木さんにはもう連絡はいっているはずだけど」
積み上げたクッションに凭れかけながら、左手でどうにかポメラを取り出した。
『ありがとう。ごめんね』
いつもより時間がかかるが、どうにか打ち込むことができた。
「美桜のせいじゃないって言ってるだろ?」
画面に表示された文字を追いながら、優しく抱きしめてくれた。