タカラモノ~桜色の片道切符~
理央君の大きな手が優しく頬に触れた

「薬飲んだら、また寝てろ。何か食べたいものがあれば買ってくるけど?」

『ライチ』

「わかった。ほら」

薬を掌に載せ、水を渡す。飲み込んだことを確認し、背中のクッションを抜いた


「眠るまではいるから」


包み込むように手を握り、髪を撫ぜた


同じテンポで髪を撫ぜてくれる理央君の手が気持ちいい。



今だけ。今だけ。後少しだけだから。



意識は微睡んでいった
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