タカラモノ~桜色の片道切符~
昼休みにパソコン室でメールをチェックすると、佐々木さんからの返信があった。




どうにかプロットは通ったみたい。


締め切りは……。手帳を開き、日にちを記入した。



5時まで詰まっていた授業を終えると、寄り道をして昨日の紅茶専門店へと向かった。



「こんにちは」



「いらっしゃいませ。あ、昨日の」



店内にはマスターが一人



「昨日は本当にありがとうございました。これお礼に」


「気にしなくていいのに。体調はもう大丈夫?」


「はい。またきますね」


その足で昨日探し損ねた本を探しに大型書店へと向かった。



資料と趣味をあわせた10冊以上の本を購入して、駅へと向かう。



「重い。欲張りすぎたかな」



重さのせいかふらつき反対側を歩く人にぶつかってしまった。



「ご、ごめんなさい」


「美桜さん?」


え?自分の名前を呼ばれたことに驚き、顔を上げると理桜くんの姿がそこにあった。


「理桜くん。今から出勤?」



「いや。ちょっと買い物に。ちゃんと眠りました?ふらついてますけど」



「本が重くて」



右手に持つ紙袋を指して答える。重みが無くなったと思うと、紙袋は理桜くんに奪われていた



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