タカラモノ~桜色の片道切符~
「寝てろ」


背中に手をまわし美桜の体を横たえる。



「どうして理桜くんの家に?」



「鞄を開けるのも悪いと思ったし、それに自宅だと確実に仕事しそうだったから」



「でも、理桜くん仕事は?」



「気にしなくていい。8時過ぎだけど、何食べたい?」



小さく首を横に振った。


「ライチ貰ったんだけど、食べない?」


好きなもの。どうして?


「少しなら」


「わかった。持ってくるから」



そう言うと理桜は部屋を出て行った。
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