タカラモノ~桜色の片道切符~
「私は百合子みたいにやりたいことができないわけじゃない、両親に心配かけちゃいけないって、両親の悩みを増やすことは百合子を悪化させることに繋がるって」
「うん」
声が震えていく。理桜は頷くことしかせず、優しく美桜の髪を撫ぜ続けた。
「寂しさを埋めるためだったのかもしれない。何冊も何十冊も本を読んだ。そしてその気持ちをぶつけるかのように書いたの。デビューが決まったとき、両親も百合子もすごく喜んでくれた。ファンレターにもすごく辛いけれど私の作品を読んで勇気や、元気をもらえたって言ってくれて。だから書くの。両親に私は大丈夫だからって伝えるため、読者に少しでも私の作品が支えになるなら、自分自身なんてどうでもいい。桜井航を待っている人のためなら春野美桜なんでどうでいいの」
最後は声にならなかった。隠した目元から涙が止まることなく流れ落ちる。
理桜は美桜の体を起こし、そっと抱きしめた。
「うん」
声が震えていく。理桜は頷くことしかせず、優しく美桜の髪を撫ぜ続けた。
「寂しさを埋めるためだったのかもしれない。何冊も何十冊も本を読んだ。そしてその気持ちをぶつけるかのように書いたの。デビューが決まったとき、両親も百合子もすごく喜んでくれた。ファンレターにもすごく辛いけれど私の作品を読んで勇気や、元気をもらえたって言ってくれて。だから書くの。両親に私は大丈夫だからって伝えるため、読者に少しでも私の作品が支えになるなら、自分自身なんてどうでもいい。桜井航を待っている人のためなら春野美桜なんでどうでいいの」
最後は声にならなかった。隠した目元から涙が止まることなく流れ落ちる。
理桜は美桜の体を起こし、そっと抱きしめた。