タカラモノ~桜色の片道切符~
何だろう。温かい。
薄っすらと目を明けると視界に広がったのは青
「え?」
背中に触れる手や、頬に触れる胸。全身で感じる確かな体温と鼓動
「なんで……」
「覚えてない?自分で抱きついて離さなかったの」
視線を上げると、少し眠たげな瞳の理央と目が合った
「なんとなく。おかえり、理央くん」
「ただいま。どうしてソファーなんかで寝てた?体力落ちてるんだから、室内とはいえ風邪ひく」
「ごめんなさい。座ったところまでしか覚えてなくて」
まだ自分の身体はすっぽりと彼の腕の中に収められている。
どうしても見上げる形になってしまった。
「気をつけろ。……気分は?夜もほとんど食べてなかったみたいだけど」
「大丈夫。食欲はないけど、気持ち悪いってことはないから」
久しぶりにあの夢を見た。あまり見たくはない夢。
「熱はないな」
額に手をやると、熱くはない。むしろ少し冷たいくらいである
「果物も無理そう?」
目を瞑って小さく頷いた美桜に気づかれないように軽く息を吐いた
薄っすらと目を明けると視界に広がったのは青
「え?」
背中に触れる手や、頬に触れる胸。全身で感じる確かな体温と鼓動
「なんで……」
「覚えてない?自分で抱きついて離さなかったの」
視線を上げると、少し眠たげな瞳の理央と目が合った
「なんとなく。おかえり、理央くん」
「ただいま。どうしてソファーなんかで寝てた?体力落ちてるんだから、室内とはいえ風邪ひく」
「ごめんなさい。座ったところまでしか覚えてなくて」
まだ自分の身体はすっぽりと彼の腕の中に収められている。
どうしても見上げる形になってしまった。
「気をつけろ。……気分は?夜もほとんど食べてなかったみたいだけど」
「大丈夫。食欲はないけど、気持ち悪いってことはないから」
久しぶりにあの夢を見た。あまり見たくはない夢。
「熱はないな」
額に手をやると、熱くはない。むしろ少し冷たいくらいである
「果物も無理そう?」
目を瞑って小さく頷いた美桜に気づかれないように軽く息を吐いた