タカラモノ~桜色の片道切符~
「水持ってくるからもう少し寝てろ。あとそこの紙袋に服とか入ってるから」



起き上がった理央が指した方に視線をやると、リビングへと続くドアの方にいくつか大きな紙袋が置いてあった



「……ごめんね、本当に」




軽く美桜の唇にキスを落とすと理央はキッチンへと向かった。




「美桜、起きれる?」



10分ほどで、ミネラルウォーターのペットボトルと小さ目のマグカップを持って理央は寝室に戻ってきた。




「……うん」




倒れた時ほどではないが、血の気はなく決して良いとは言えない顔色だ。




「ホットミルク。熱いから気を付けて」





湯気のたったマグカップを美桜の手に渡した。




熱いかも知れないと思ったが碌に食べていないからか、体温の上がらない美桜の手は冷たかった。



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