タカラモノ~桜色の片道切符~
「……うん」



また夢を見るの?



ベッドに横になると理央がブランケットを肩までかけた



「空調は?そんなに下げてないけど」



「調度良い。冷房苦手だから」


「だろうな」



店でも上着を脱ぐことがなかった。



「夕方まではリビングにいるから。何かあったら呼んで」



「ここにいてもらっても良い?」




伸ばした先にあった理央の手を弱く握った。



「良いけど、それで休める?」



「いて欲しい」




理央は返事の代わりにそっとその手を握り返した




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