タカラモノ~桜色の片道切符~
「どれが良い?オレンジ、桃、青りんご、パイナップル、巨峰」



「桃かな。理央くんも食べない?」



桃のゼリーと自分の分の青りんごゼリーをサイドテーブルに置くと、残りを冷蔵庫に仕舞い、スプーンを持って寝室に戻ってきた



「口あけて」



少なめな一口分をスプーンで掬うと美桜の口元に近づける



「りおくん?」



「良いから」



小さく開かれた口にそっとゼリーを入れた



「おいしい」



「ならもう一口」



「理央くん。自分の分もちゃんと食べてね」



「わかってる」



もう一口美桜の口の中に放り込むと、青りんごを口に運ぶ。



流石と言うべきか、果物の優しい甘さが口中に広がった



「ほら」



もう1度ゼリーを美桜の口元へと運ぶ。



会話をしながら同じことを繰り返し、ゆっくりではあるが、1つ食べきってくれた



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