タカラモノ~桜色の片道切符~
「……はい」
出勤前、見覚えのない番号からの着信に疑問を持ちながらも通話ボタンを押した。
「え?」
制限速度ギリギリまでアクセルを踏み込む。
普段は気にならない信号待ちも気持ちをイラつかせた
「すいません」
「悪いな。出勤前に」
「いえ。み、彼女は?」
電話の主は以前美桜を連れてきた病院。
美桜が襲われて怪我をしたというものだった。しかも
「理桜さんですね?」
「……はい」
見せられたのは警察手帳。仕舞うとほぼ同時にスーツから1枚の写真を取り出した
「この女性は?」
「僕のお客様の一人です」
美桜を襲ったのは自分の客だった女。
上場企業役員の妻で、何かと俺に金を使い、独占しようとした。店での売り上げ以外は貰うつもりはなく、断っていたが、美桜と一緒に居るところを運悪く見られてしまい、全ては彼女のせいだと思い込んで犯行に及んだ
「男性の方は意識不明の重体です。女性の方は13針の怪我。目を覚ましましたら、お話しを聞こうかと」
止めに入った彼女の夫は美桜の目の前で刺されて重体。
搬送されたとき、美桜も気を失った状態だったらしい
出勤前、見覚えのない番号からの着信に疑問を持ちながらも通話ボタンを押した。
「え?」
制限速度ギリギリまでアクセルを踏み込む。
普段は気にならない信号待ちも気持ちをイラつかせた
「すいません」
「悪いな。出勤前に」
「いえ。み、彼女は?」
電話の主は以前美桜を連れてきた病院。
美桜が襲われて怪我をしたというものだった。しかも
「理桜さんですね?」
「……はい」
見せられたのは警察手帳。仕舞うとほぼ同時にスーツから1枚の写真を取り出した
「この女性は?」
「僕のお客様の一人です」
美桜を襲ったのは自分の客だった女。
上場企業役員の妻で、何かと俺に金を使い、独占しようとした。店での売り上げ以外は貰うつもりはなく、断っていたが、美桜と一緒に居るところを運悪く見られてしまい、全ては彼女のせいだと思い込んで犯行に及んだ
「男性の方は意識不明の重体です。女性の方は13針の怪我。目を覚ましましたら、お話しを聞こうかと」
止めに入った彼女の夫は美桜の目の前で刺されて重体。
搬送されたとき、美桜も気を失った状態だったらしい