タカラモノ~桜色の片道切符~
「今晩は。薬飲めないって聞いたから点滴させて貰うよ。痛み止めと化膿止め。少しは楽になるからね」



美桜の傍に置いた鞄を開け、点滴の準備を始めた。



「ちょっとチクっとするから」



手早く針を刺し、固定をすると、腕時計を見ながら慣れた手つきで点滴を開始した



「これと、もう1本ね。1本終わる頃には多分楽になってくるから」



美桜が小さく頷いたのを確認すると扉の傍にいた理央に近づいてきて



「少しだけ話しがある」


「はい」




点滴……好きになれないけれど、今は痛みの方が辛い。



痛くて、熱い。


ここにいちゃ行けないってわかっているのに、ボーっとして頭も体も動かない



理央くん。ごめんね
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