タカラモノ~桜色の片道切符~
「傷が原因の熱。でも化膿したとかではないからね」
『はい』
僅かではあるが、頷きを返した美桜に大地は優しく微笑んだ
「アイスノンとタオルです」
「サンキュー」
軽く美桜の頭を持ち上げ、タオルの巻かれたアイスノンを置くと、絞ったタオルで額、顔、首に浮かぶ汗を拭った
「多分これ以上熱が上がることはないけど、水分補給だけはマメにさせて。出来れば水だけじゃなくてイオン飲料なんかも。脱水症状には注意して」
「わかりました」
点滴の処置を終えると「明日病院で」と言い残し大地はマンションを後にした
寝室を覗くと、少し荒い息が聞こえた。眠っているが熱が高いせいか息が熱い
「ごめん」
絞ったタオルで額の汗を拭い、水に浸すと絞り直し熱い額にのせた
美桜と会うときにもっと気をつけていれば、店でもっとちゃんとしていれば
こんな目に遭わせることはなかった
温くなったタオルを氷水で濡らし、額に置き直す。
冷たい感覚に重い瞼をゆっくりとあげた。
霞が掛かった視界に映ったのは心配そうな理央くんの顔
『はい』
僅かではあるが、頷きを返した美桜に大地は優しく微笑んだ
「アイスノンとタオルです」
「サンキュー」
軽く美桜の頭を持ち上げ、タオルの巻かれたアイスノンを置くと、絞ったタオルで額、顔、首に浮かぶ汗を拭った
「多分これ以上熱が上がることはないけど、水分補給だけはマメにさせて。出来れば水だけじゃなくてイオン飲料なんかも。脱水症状には注意して」
「わかりました」
点滴の処置を終えると「明日病院で」と言い残し大地はマンションを後にした
寝室を覗くと、少し荒い息が聞こえた。眠っているが熱が高いせいか息が熱い
「ごめん」
絞ったタオルで額の汗を拭い、水に浸すと絞り直し熱い額にのせた
美桜と会うときにもっと気をつけていれば、店でもっとちゃんとしていれば
こんな目に遭わせることはなかった
温くなったタオルを氷水で濡らし、額に置き直す。
冷たい感覚に重い瞼をゆっくりとあげた。
霞が掛かった視界に映ったのは心配そうな理央くんの顔