タカラモノ~桜色の片道切符~
薄っすらと目をあけると、綺麗な顔が傍にあった。
好き。誰よりも彼のことが好き。
だからもう少し、もう少ししたらちゃんとここから出て行くから。
ここにいる間だけは優しさに甘えても良いですか?
幸せな思い出だけ残せるから。
暫く寝顔を眺めていると、少し眠たそうな目と視線が合った
「おはよう。起こしてくれて良かったのに」
理央は美桜の頬にキスを落とすと、上半身を起こし、軽く伸びをした。
「スープ持ってくるから、少しは食べて」
『うん』
頷きを返した美桜に微笑むと、理央はキッチンへと向かった
「今日はコンソメ」
サイドテーブルに置かれたカップからは優しい食欲をそそる匂いがした
理央くんの手を借り、積み上げたクッションに体重を預けるようにして起き上がる。
「食べて」
差し出されたスープを飲み込むと、野菜の甘みが溶け出した優しい味がした。
「無理しなくて良いから」
少し苦しそうな問いに首を横に振った
「ならもう少し」
同じ事を何度も繰り返し、どうにかカップ半分ほどを食べることができた。
「薬持ってくるからそれも飲んで」
『うん』
薬を飲むと美桜はまたベッドに横になった。
「ここにいるから」
すっぽりと包まれるような大きな手で優しく握られてまた思考は夢へと落ちていく
「おやすみ」
聞こえた声は子守唄のように心地よかった
好き。誰よりも彼のことが好き。
だからもう少し、もう少ししたらちゃんとここから出て行くから。
ここにいる間だけは優しさに甘えても良いですか?
幸せな思い出だけ残せるから。
暫く寝顔を眺めていると、少し眠たそうな目と視線が合った
「おはよう。起こしてくれて良かったのに」
理央は美桜の頬にキスを落とすと、上半身を起こし、軽く伸びをした。
「スープ持ってくるから、少しは食べて」
『うん』
頷きを返した美桜に微笑むと、理央はキッチンへと向かった
「今日はコンソメ」
サイドテーブルに置かれたカップからは優しい食欲をそそる匂いがした
理央くんの手を借り、積み上げたクッションに体重を預けるようにして起き上がる。
「食べて」
差し出されたスープを飲み込むと、野菜の甘みが溶け出した優しい味がした。
「無理しなくて良いから」
少し苦しそうな問いに首を横に振った
「ならもう少し」
同じ事を何度も繰り返し、どうにかカップ半分ほどを食べることができた。
「薬持ってくるからそれも飲んで」
『うん』
薬を飲むと美桜はまたベッドに横になった。
「ここにいるから」
すっぽりと包まれるような大きな手で優しく握られてまた思考は夢へと落ちていく
「おやすみ」
聞こえた声は子守唄のように心地よかった