タカラモノ~桜色の片道切符~
聞こえてくる確かな寝息に、握った手を離すと寝室を後にした。
伏せた写真たてをそっとおこすと、久しぶりの母と弟の顔。
「……」
何度捨てようと思っても捨て切れなかったものだ。
捨てられた。そんな感情から何度も破ろうとして、破れなかった。
「剛」
彼らはこの地球のどこかで笑っているだろうか?
幸せに暮らしているだろうか?
絶望から救われ、再び落ちた絶望を救ってくれたのはオーナーだった。
そのお陰でこうして時が、出会いが巡ったのだ。
奇跡と呼ぶのか運命(さだめ)と呼ぶのか?
どちらにしても感謝こそすれ、恨みはしない。
「美桜」
出会いを、再び出会えた手を離しはしない。
伏せた写真たてをそっとおこすと、久しぶりの母と弟の顔。
「……」
何度捨てようと思っても捨て切れなかったものだ。
捨てられた。そんな感情から何度も破ろうとして、破れなかった。
「剛」
彼らはこの地球のどこかで笑っているだろうか?
幸せに暮らしているだろうか?
絶望から救われ、再び落ちた絶望を救ってくれたのはオーナーだった。
そのお陰でこうして時が、出会いが巡ったのだ。
奇跡と呼ぶのか運命(さだめ)と呼ぶのか?
どちらにしても感謝こそすれ、恨みはしない。
「美桜」
出会いを、再び出会えた手を離しはしない。