秘密のプリンセス
 「何でなんだよ。」
私は苦しくなって、つい、強い口調で言ってしまった。
「銀さんには関係ない‼私のこのつらい気持ちなんて誰もわかりやしない‼」
そう言ったら、なんだか涙がボロボロと出てきた。
「お、おい泣くなよ。」
何か夜の銀さんは元気だった。
 あ、そうだ。そうすればいいのか。
「銀さん。私もなぜ記憶がないか教えるから、銀さんもあの二人は誰かおしえて下さい。」
「なるほど、取引か。」
そして、いつもの冷めている顔とどこか悲しそうな目に戻った。
「いいだろう。」
私はそのまま銀さんの目は見ずに輝く星を見ながらしゃべりだした。
「私は三年生の時から、ずっといじめを受けてきました。先生にも校長先生にも。その学校のすべての人から。悪い時は大きなあざを作って。そんなことがあって、つい最近まで私はその記憶を、どこか、遠いとこにやっていたのです。楽しかった、一年生の記憶も二年生の記憶も。でも最近、思い出すようになって。思いだす記憶はいじめの記憶。この二人のことは、一・二年生の時の記憶とどこかに、行ってしまった。これで…いいですか。」
銀さんはきっと呆れているよね…
 そう想い銀さんを見る。・・・・・・でも、
銀さんの顔には何も浮かんでいない。
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