秘密のプリンセス
次の日、銀さんが、深刻な顔で私をどこかへ連れて行った。
着いた場所は、豹谷組の溜まり場だった。
中に入ってしばらく待っていたら、赤髪の男が出てきた。
豹谷旭だ。
「やっと連れてきたか。」
「久しぶりだな。」 
 私たちは向かい合うように椅子に座る。
「お前、やっぱり、そうだったのか。」
 この人が本当に幼馴染?
「今日は、仁がいるからな。会わせててやるよ。」
 ドクン・・・・・・
 その名を聞いて、心臓は大きくなり始めた。
 懐かしい感じもした。
 きっと、幼馴染という存在だから。
 記憶は戻ってないし、どういう反応をすればいいかわからないけど。
 でも、なんでこの旭も私を覚えていないのかな。
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