秘密のプリンセス
 「ひどいなぁ。好きな子とデートしたいって思うのは普通なんだから、いいだろ。」
 なんて、サラっと言うもんだから、顔はもう真っ赤。
 くそぉ。

 ということで、今は水族館に来ています。
「奈々都、見て!」
「そんなはしゃぐなよ。」
「だって、初めてだから。あ、ジンベイザメ。おっきい。」
 私は子供のように騒ぐ。
 そんな私を、いとおしそうに見つめていることも知らずに。
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