秘密のプリンセス
 「桐谷春とでも言えば、思い出すかしら。」
 きりたにはる?
 必至で、記憶の中を探る。
「あ・・・・・・・。」

~二年前~
 そうだ、あれは中学二年になって、いじめられていた時。
『やめて!!!!!』
『静かにしなさい!!!!!!!』
 彼女が手を振りおろした時。
『木色(いじめっ子の名字)、何してんだ。』
 たまたま、通りかかった、桐谷君が助けてくれたんだ。
 そのあと、仲良くなって。
 告白されたんだ。
 でも、いじめがひどくなって。

 「でも・・・・・奪ったわけじゃ!!!」
「黙りなさいよ!!!あいつは、好きな人が出来たって言って、あんたの所へ幸せそうに走っていくの。そんな、あなたが憎くて。」
 私に向けられるその眼は、憎悪で染まっていた。
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