秘密のプリンセス
「ふぅ。」

 暑かった。

 それにしてもと、私はウィッグのつけていない自分を見た。

「本当に長い髪だなぁ。」

 そう、私の髪は腰くらいまで長くて黒髪である。

 私は鏡を見ながらウィッグを付けた。

「よし、オッケー。」

 私はふと、トイレの小窓を開ける。

 意外と、まぶしい。

 それに…桜がきれい。

 体育館の裏のトイレからこんなに綺麗な桜が見えるなんてびっくり。

「ちょっとくらいなら…」

 キィッ…

 桜をもっと近くで見たい。
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