秘密のプリンセス
 「おい、お前、それって、お前が悪いだろ。」
「は?」
「人のことをいじめる彼女なんて、誰だっていらねぇよ。自業自得だ。」
「……っ!」
 気の強い彼女に、誰も、文句を言わなかった。田の、それは、きっと、一番みんなが言いたかったこと。
「優日、行こうぜ。」
 何もわない彼女を見て、私の手をとる奈々都。
 その、手のぬくもりに安心して
「ちょっと待って。」
 私はこっちをにらんでいる、彼女に向って。
「そういうことする、あなたのほうがくずよ!!!!!……でも、かわいいんだから。もっと、わらって。」
 私はそれだけを言うと、奈々都をリードした。
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