秘密のプリンセス
「いやいやいや、違うって!うん、きっと、絶対!多分。」

「薫、もしそうだったら…。」
 
 想像するだけでも涙が出てくる。

 この涙はそれだけ、奈々都のことが好きなしるしなのだろう。

「いや、落ち着こうか。平気だよ、ね?」

 とはいえ、気になるのがわたしだ。


 私は、薫に別れを告げ自室に戻った。

 はぁぁぁぁ。どうしよう!奈々都に会って確かめたいような、会いたくないような。

 ベッドの上でゴロゴロしながらそんなことばかり考える。

 ガチャ

 誰だろう。



「ただいまぁ。」
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