秘密のプリンセス
 カチャッ…

 へ?

「一・・・臣…君?」

 そう、秀才の一臣君だったの。

 まさか、メガネかける前はこんなに…

「音田か…いつからそこに?」

「今さっき。」

「そうか。」

 そういい終わると一臣君はシャープペンシルを持って勉強し始めた。

 勉強好きだなぁ。

 私も早く、予習復習して本借りて帰ろう。

 私は英文の本のコーナーのところに行き一冊の本を手に取った。その本の題名は「ハッピー・プリンス」。この本は私の好きな本である。

 すると、一臣君が声をかけてきた。

「お前、その本好きなのか。」

「うん…」

 そんなことより、私は急いで図書カードに書き込むと勉強道具をもって一臣君の隣に座った。

「お前何するの?」

「なにするのって、予習と復習だけど。」

「あぁ、そう」

 そのあとはペンが動く音と私たちの息をする音しか聞こえなかった。
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