秘密のプリンセス
「…葵…?」

 って、あのチャライ…葵のこと?

「その反応は知っているんだな。」

「その葵君に何か。」

「あいつがちょっと俺の可愛い子分たちに手ぇだしてくれたみたいで…。」

 まさか、葵が言っていたヒロって人の先輩!

 この人なんかちょっと嫌だし、関わらないで行こう。さ、帰りましょう。

「悪いけど他当たって。」

 バイバ~イ!

「おい、待てよッ。帰すわけねーだろ。」

 そう、言われて襟を掴まれた。

 そうですよねー。

 でも、連れて行くわけねぇだろ。

 私は右足に思いっきり重心をかけて左足を大きく回した。これぞ、私の回し蹴り。

「ふん、自力で見つければ。バイバイ。」
 
 あ…

「後、女子に気安く触ると痛い目に合っちゃうから気をつけてねぇ。」

・・・・やばい、自分がまるで女子だって言っているみたいじゃない。まぁ、実際女子だけど。

 私はその場から逃げ去った。

 
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