秘密のプリンセス
「そ、それは…。」

 分かる訳ないでしょ…そんなこと…

 ドンッ!

「…優日。」

 ドキッ…

「…さっき会ったのは…やっぱりお前だったんだな。」

 ドクンッ、ドクンッ…

 手が震えてるし、心臓の鼓動もはやいよ…

「…優日、出てきて。」

 とても優しい声音だった。

「俺は、お前の味方だから。」

 奈々都…

 不覚にも私の胸は高鳴った。

「じゃぁ、出るから、服、くれる?」

「わかった・・・・・・はい。」

 服を着なきゃ、出ていけるわけない。

 ・・・・ヨシッ。

 ガチャッ・・・

 バレタからもうウィッグをつけない。
< 67 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop