アクセサリ!!
私は、ふて腐れながら、携帯を構っていた。

すると…後ろからフワッと抱き締められた。犯人は、見当がついている。
「何?」
「用がなくって、許嫁を抱き締めたらダメなの?」
だから…あんたとは許嫁になりたくてなった訳じゃないっつの!!

「…勝手にすれば?」
私は面倒で適当にそう答えたんだけど…。
「へぇ…いいんだ~。勝手にしても…。フフッ」
な、何?この…なんとも言えない嫌な予感…。
私が、戸惑って固まっていると…
多賀の手は下に降りていって、ゆっくりスカートの裾までたどり着いた…。

「ちょっと…何?」
「え?分からないのか~?」
何その人をバカにしたような言い方!!

私は悔しくて言い返した。
「わ、分かるわよ!!好きにすれば~?」
こうなったら…私だって挑発的な態度とってやる。

…何て思ってた私は、とてつもなくバカだと知った…頃には遅すぎた…。

多賀の手はスカートの裾を軽く浮かせて、スカートの中に入ってきた。
私は、慌ててスカートを押さえた。
「ち、ちょっと…変態!!何するつもり?」
「は?何、今さら…。好きにすればって言ったの…あんただけど。」
そう言いながらも…多賀の手は止まる様子がない…。

私の太ももに…気持ちの悪い感覚が触れた。
「…や、やめてよ!!」
私は、言葉で威嚇をしたら、ふと手が止まった。

「あんた、まさか…処女?」
コイツ、何聞いてくれちゃってるわけ!!
「あ、当たり前じゃない!!!男なんて、アクセサリーなのよ!!だったら何?文句ないでしょ?女のことだって…おもちゃとしか思ってないくせに!!…ハッ」
私、何言って…。こんなこと言ったって…何も変わらない…むしろ、バカにされて終わるのに…。

…終わるなら…どうでもいいのかもな…。
「だから…勝手にしなさいよ…好きなように遊んで捨てれば!?」
私は、うつむいたままそう叫んだ。

すると…多賀はスカートから手を抜いた。
「…え…?」
私は、キョトンとして顔をあげた。
多賀は私の正面に立つと、私を抱き締めた。

「な、何して…んのよ!!は、離しな…さい…よ!!」
「そんな震えた声で何言ってんだよ?それに…好きにしていいんだろ?なら…これくらいしてもいいだろ。」
多賀は低くて柔らかい声でゆっくりそう言った。
「それに…俺は、自分の家をかけて、お前を惚れさせる。絶対にな!!」
そう言って、多賀は私を離すと、強くデコピンをした。
「ッ…た!あんた、ふざけんじゃないわよ!!」
「フッ…自然な顔…出来るんじゃん。」
「え?」
「俺の前では…その顔でいろよ?いいな?」

何その…ワケわかんない命令!!
それに自然な顔って何?いつもこの顔だっつの!!
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