恋のおわり。
「じゃあ、また」
「またね。奈緒、岡島君」


先にタクシーに乗った佳菜子さんを見送り、二台目のタクシーが来て直人さんとさやかが乗り別れた。


「奈緒さん、怒ってます?」


「怒ってない」


隣にいる岡島君にぶっきらぼうに答えた。


「少し歩きませんか?」


「…うん」


………。


何も話さない岡島君を見る。
立ち止まった岡島君が私を見た。


「…手、繋いでいいですか?奈緒さん」


まっすぐ私を見て聞いてきた。
真剣な顔。


「…うん」


黙って私の手を取った。


黙って二人して夜の街を歩く。


繋いだ手がドキドキを加速させていた。













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