恋のおわり。
「ごめん」


立ち止まった岡島君が口を開いた。


「どうして謝るの?」


「みんなの前であんな事言うべきじゃなかったですね。佳菜子さんの質問に便乗して奈緒さんの逃げ道塞いじゃったから。
俺、ずるいですね」


ずっと考えてたのかな。
沈んだ顔。


「…恥ずかしかったけど…嬉しかったから



あの後、みんなに冷やかされ、
岡島君の顔が見れなかった。


だけど…嬉しかった。
ハッキリと付き合いたいって言ってくれた事が。


「ホントに?」


「うん。だから謝らないでいいよ」


「俺、ずっとこうしたかった。奈緒さんに触れたかった。あっ、その、触れたいってそう言う意味じゃなくて…まぁ、そう言う意味か」


照れてる顔を見てやっぱり岡島君が好きなんだと改めて思った。


「俺、奈緒さんが好きです。
奈緒さんと恋愛したいです。
俺と付き合ってくれませんか?」


真剣な眼差し。


「私で良ければ…お願いします」


そんな私達を夏の風が通り過ぎて行った。


久しぶりの恋。
初恋みたいに心が動き出す。


私の前髪をかき分け軽くオデコにキスをした。


それだけじゃ物足りない。


見つめた私の唇にそっと岡島君の唇が触れた。











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